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………。
予想通り返事はない。
一度も禁書庫の本たちに語りかけたことはなかったが、薄々この結果は見えていた。
禁書である本たちには全て、意思を封印するための“鍵”がかかっているためだ。
禁書とされる本は、必ずといってもよい程、何らかの魔力を持っている。
ただでさえ危険な本たちに鍵をかけず一箇所に集めたともなれば、どんな大惨事が起こるか分からない。
だから鍵をかけるのだ。
私は次に、風の精霊たちに語りかけることにした。
風の精霊に語りかけるのは、極力避けたかった。
なぜなら彼らは気まぐれで本当の道を中々教えてくれない。
そして、やはり……
「出口は、こっちだよ」
「違うよ、こっちさ」
「面倒臭いから、やだ」
三種三様の返事。
期待はしていなかったが、あまりにも想像通りだったので頭が痛かった。
普段は話し掛けると面白い子たちなのだが、こういう緊迫した状況では役に立たない。
一番労力を使ってしまうが私が歩いて来た道を辿ることにした。
この際、四の五の言ってられない。
こんな場所で一生を終えたくはない。
しかも眼鏡が無くて、帰り道が分からなくなったから餓死したなんて。
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