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「今日もリディアは、おサボり?」
部屋に帰ると、同室で暮らしているマリア・リンドバーグがいた。
寮は原則的に二人一部屋が基本だ。
「あなたには関係ないわ。それに、あなたこそ、何故部屋にいるの」
私は憎まれ口を言いながら、椅子に座って机の中からスペアの眼鏡を取り出した。
マリア・リンドバーグ。
綺麗な赤毛、碧の目。
ショートの髪の毛、きめ細やかな肌は綺麗に手入れされていて、私なんかとは大違い。
人懐こく、誰でも親しみやすい性格のせいか男子たちや、同性の女子たちからも人気が高い。
「次の時間は体育だから着替えに来たの。ねぇ、そんなこと言わずに、一緒に授業出ようよ~」
「ちょっと……あなた!?」
マリアが後ろから抱き着いて胸を触ってくる。
いったい、この娘は何を考えてるの!?
「案外、リディアって胸あるんだ~。ボクと同じくらいかな?」
「……ッッッ!!」
マリアは手を休めることなく乱暴に、時には優しく胸を撫でる。
自分でも顔が赤面していくのがでも分かった。
「リディア、顔が真っ赤だ。こんな可愛いリディアを皆知らないなんて絶対、損してると思うんだ。だから一緒に授業行こうよ」
「私は……可愛くなんかないわよ。それに、あんな授業には出る気はないわ。もうお節介はよして、迷惑なのよ」
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