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サヤの家に着いた俺たち。
サヤの家は食堂屋を営なんでいた。凄くおいしそうな匂いがする。
その匂いに釣られ俺の腹はグ~と音がなった。
その音を聞いてサヤは
「早く行こう。何か食べさせてあげるから。」
そう言って俺の手を引っ張り食堂の入口から入っていった。
入ってみると客は5、6人程度のものだった。
サヤが言うには、今日はお客が少ないらしい。
すると突然
「いらっしゃい!」
と男の声が聞こえた。そこ声の主の方に俺は顔を向けると、サヤのお父さんとお母さんがいた。
そしてサヤのお父さんは、目を丸くして俺を見た。だが、しばらくすると目をキッとつり上げてサヤを見た。
ヤバい!サヤが叱られる!サヤを守らなきゃ!
そう思った瞬間俺は口を開いていた。
「あのっ!俺が悪いんです!俺がサヤと一緒に遊んで…。楽しくて時間経つの忘れちゃって…。だから!だから叱るなら俺を叱ってください!」
俺は叱られるんだろうな。そう思って目をつむった。
しかし、しばらく経っても沈黙…。
俺は薄く目を開けてみた。すると、サヤのお父さんとお母さんが目を丸くしてる。
何だ?
俺がそう思った瞬間サヤのお父さんが、大声で笑った。お母さんもクスクスと笑ってる。
「坊主にそんなこと言われちゃ叱ること出来ねーな!面白い坊主だ!名前は?」
「大船……海斗。」
「あら、大船さんとこの息子かい?初めて見たけどいい子ねえ。将来必ずいい男になるわね♪」
俺は訳が分からず、サヤを見た。でも、サヤも全く意味が分からないといった顔をしてる。
「あの…父さんと母さんを知ってるの?」
「ええ。海(かい)ちゃんお父さんにはごひいきにさせてもらってるわ。」
「そうなんだ…」
「おう!海ちゃん!それより腹減ったろ!?何か食ってけ!サヤも今度からは気をつけろよ!今日は海ちゃんに免じて許してやるから!」
そう言われると、心の底からサヤは安堵したような顔になった。
そして、俺の方に顔を向けると笑顔で
「ありがとね!海ちゃん!」
そう言った。
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