落ちこぼれの救世主

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鳳昇「そういえば、十年に一人の逸材がおるそうですな」 教官に尋ねる鳳昇 教官「はい、アルベスと言う者がおるのですが彼は二千回もの素振りでも顔色一つ変えずにこなしてしまうほどです」 教官がそう言うとほかの隊長達はざわめきだした キース「ひぇ~、二千回も素振りして平気な顔してんのか!!そりゃ末恐ろしいな」 アルベスと言う人物が予想以上の人材だったのか隊長達はみな、驚きを隠せなかった 鬼嶋「確かに、教官の話が本当ならばかなりの大型新人じゃな・・・そう思わぬか?朧(おぼろ)殿」 朧と呼ばれた女騎士はつまらなそうな顔で答える 朧「ふん、どうせ優秀な人材はみな一番隊が持って行ってしまうのだろう?アルベスと言う者はたしかに優秀だが、優秀だからこそ一番隊に入りたいと思っているだろうしジョルジュも断りはしまい」 そうつぶやくと朧はジョルジュの方へ目を向ける ジョルジュ「確かにそのような人材なら是非、我が一番隊に入隊してもらいたいな」 キース「ちぇっ、ジョルジュに目を付けられちゃ俺たちの出番はないか」 少し残念そうに呟く 朧「まぁ、最初からこうなると思っていたからな・・・」 先ほどまでのざわめきもいつの間にかおさまっていた 一番隊隊長であるジョルジュの目にかなうと言うことは新人騎士達の憧れであり、ルーヴェル王国の重役達もジョルジュの目に止まり入隊した者も少なくない それゆえに、ジョルジュからのスカウトを断る者は今まで一人もいなかった・・・こうなってしまっては方の隊長にはどうしようもなかった、あくまで決定権は向こうにありいくら破格の条件でスカウトしようとも、本人が気に入らなければ拒否する事もできるのだ、この国で一番優秀な部隊からスカウトが出されてしまっては方の部隊ではほぼ勝ち目がない 今までもそうしたことが多々あったために今回も同じようになってしまうだろうと思っているからか・・・さっきまでのざわめきが嘘のように静まりかえってしまった ???「おいおい、そうと決まった訳じゃねぇだろ?まだアルベスはどこに入隊するなんて言ってねぇんだ、諦めんのは早いと思うけどな」 静寂な雰囲気をかき消すように喋り出す キース「ジン・・・」 ジンと呼ばれた男はルーヴェル王国の中では一番人気のない九番隊の隊長である
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