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???「おりゃ、おりゃ」
その騎士は太刀筋は鋭く体力的にも余裕そうなのだがどこか違和感のある素振りを繰り返していた
教官「おい!!、お前!!」
教官が呼ぶが気にもしないで素振りを続けている
教官「おい!!、聞こえているのか!?」
教官がさらに大声で叫ぶとさすがに気がついたのか素振りをやめる
???「ん?、何か用ッスか?」
教官「お前、名前は?」
翔「翔ッス」
軽い口調で答える
教官「翔か・・・悪いがもう一度素振りを見せてくれないか?」
翔「ん?、全然かまわないッスよ」
翔は剣を構え素振りを始める
翔「おりゃ!!、おりゃ!!」
教官(う~ん、何かがおかしいんだよなぁ)
翔の素振りを眺めてみても違和感の正体に気づけないでいる教官
教官(こいつもこいつで癖がありそうなやつだなぁ)
教官がそう思っている中ふと時計を見ると演習の終了時刻が近づいていることに気がついた
教官「ん!?、もうこんな時間か・・・全員素振りやめぇぇぇぇー」
教官が大声を張り上げると、周りの騎士は素振りをやめ教官の方に目を向ける
教官「今日の演習はここまで!!、卒業テストの日まで後わずかだ!!気を緩めずに精進しろ!!以上でおわりだ、解散!!」一通りしゃべり終わると奥のドアから教官が出て行った
それを見届ると、騎士達は厳しい練習を終えたばかりなのか地面に座り込む者がほとんどだった
翔「はぁ~、やっと終わったぁ」
翔も例外でなく地面に座り込み地獄の演習が終わったことを喜んだ
ユウ「ふぇぇ~もう限界・・・」
すでに体力の限界を超えていたユウはその場に倒れ込んでしまった
翔「大丈夫かよ?」
そう言うとユウの横に座り込む
ユウ「大丈夫じゃないかな・・・」
うつ伏せのまま答えるユウ
翔「こんなになるまでやり続けるなんてホントに頑固だよなぁ」
ユウ「うるさいなぁ、みんなより体力無いんだからサボるわけにはいかないだろ?」
翔「まっそうだよな、それにガッツがあるところがユウのいいとこだもんな」
スッとユウに手を差し出す翔
ユウ「そう言ってもらえると大分気が楽になるよ」
翔の手に掴まり起きあがる
翔「まぁ、体力がないのは事実だけどな?」
ユウ「あははは・・・」
翔の言葉に苦笑いするしかなかった・・・
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