第一章 ~輪転~

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 普段は見せない、自分への想いを肌で実感出来る……だから、稀に癇癪を起こすのだ。  明文からすればたまった物ではないが、逆に言うのなら『明文に愛して欲しい!、好きだと言って欲しい求愛の心理』から来ているのだからして……理央の恋心の度合いが高い事が再確認出来る。  良いか悪いかは、この際ナシだ。  そもそも、恋愛は理屈では語れないし、恋の仕方に答えなどない。  十人十色の人間達が、個々のやり方で恋をするのだから、千差万別の恋愛模様が生まれるのは必定であり、そこに一定の答えを見い出す事など、最初から無理な話であろう。  よって、明文と理央の二人の恋愛は、人によっては滑稽な二人だと思える部分が多々見られても、二人にとってそれはお互いの気持ちを分かり合う上での必須要項であったりする。
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