第一章 ~輪転~

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 裏付けもあるのだから仕方ない。  何せ、明文が先週、後輩の自宅にいる事実を知ったのは、リアルタイムで遊んでいる所を『写メで送って来た』からだ。  自宅が留守だと言う事に気付いた理央は、すぐに明文の携帯へと電話していた。  そして、会社の付き合いで後輩の家に来ている事を知る。  周囲には、お前の知った顔もいるぞと言われた所で―― 『そんなの、電話じゃ見えないよ』と、返答した所、間もなく写メが送られて来た。  見れば、確かに見知った顔がチラホラといる。  写メで見る限りでは明文の言葉を疑う余地はない。  そもそも、疑うつもりもなかった。  ……この時は。  皮肉な事にも、コレが今の決定的な証拠となる。
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