第一章 ~輪転~

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 方法など、何でも良いのだ。 (但、犯罪は不可)  必要なのは経緯ではない――顛末なのだ。  どんな経緯を経たとしても、最終的に二人が納得出来る方法で愛し合える結末を迎える事が出来れば、それは十二分に最上の回答へと繋がるのである。  だから、理央は喧嘩出来る。  最後には、ちゃんと仲直り出来る自信があるから。  だから明文も狼狽えない。  最後には、笑顔で『許してあげる』と答える理央がいる事を信じているから。 「……全くもう、今度こんな事したら承知しないんだからね?」  喧嘩と言う名のじゃれあいを数分ばかり戯れた所で、喧嘩の終止符となる台詞を理央が言う。  これで喧嘩はおしまいだ。
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