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腰からショートソードを抜き、ウィンドバードの翼に斬りかかった。
「危ない!」
言うのが早いか、ウィンドバードは口から真空波を放った。
槍使いは間に入り、真空波が右肩をかすり、「うぅ…。」と唸って膝を突いた。
「大丈夫か、少年!危ない所だった。クッ…。」
槍使いは気絶し、その場に倒れこんでしまった。
軽率すぎた…。
そう思っても遅すぎた、現に目の前には自分のせいで怪我をしている人が出てしまった。
ウィンドバードは追い討ちをかける様に爪で掴みかかってきた。
「お止めなさい!」
声が聞こえると共に渦巻き状の水流がウィンドバードに当たり、奇声を発しながらウィンドバードは逃げていった。
水流が飛んできた方向を見ると、体が水で出来た精霊・ウンディーネが池の上に立っていた。
「大丈夫ですか?あのウィンドバードはどこからか流れてきて、この森に住み着いてしまったんです。
私も大分力を使ってしまって、追い返すので精一杯なのです。
そこの鎧の方は傷を負っているようですね…これならなんとか治せそうです。」
ウンディーネが近づいて行き、手をかざすと傷が治っていった。
すごい…。俺は無礼を承知で頼み込んだ。
「ウンディーネ様お願いします!私と契約していただけないでしょうか!」
無理なのはわかっていた…相手は大精霊に分類されるウンディーネだ。
「先ほども言ったように、今の私にはあまり力が残っておりません。
しかし、代わりと言ってはなんですが、この子を連れて行ってくれませんか?」
そう言うと小さなウンディーネが池から出てきた。
「その子は少し元気すぎまして、世界を回りたいと言っているのです。この子の為にもお願いします。」
思わぬ展開であった、子供とは言えウンディーネと契約する事になるとは…。
ただ…
「私と契約できるなんて幸せ者ね!せいぜい頑張りなさい。」
先行が不安だ・・・。
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