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少女が逃げていく血塗れのハンター・ウルフを眺めていると、後ろから足音が聞こえ振り向くと全身が漆黒に包まれた青年が立っていた。
「あの…」
少女が何かを言いかけた時、目の前に手を差し伸べられた。
「…立てるか?」
「…はい」
少女が立とうと足に力を入れると、右足首に激痛が走った。
「いッ……!?」
少女が倒れそうになったところを青年が受け止めた。
「女…大丈夫か?」
「あ……ひゃい…」
少女は顔を赤く染め、青年から離れた。
「ありがとぅ……!?」
青年は少女を掬い上げるよいに、お姫様抱っこの状態で持ち上げた。
「礼を言うのは少し早いぞ…」
少女は口をパクパクさせさらに顔を赤くした。
耳の先まで赤くなる勢いだ。
「…家は何処だ?」
「あの…電気の点いてる家です…」
少女が指を差したのは歩いて500メートル程先の民家だった。
「そうか…」
青年が少女の家に向かって歩いて居るとき、少女は青年の胸に頭を埋めていた。
(この人…温かくて……声を聞くと体の底からゾクゾクするッ)
少女は心臓をバクバクいわせていた。
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