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少女はフッと青年の顔を見て疑問に思ったことがあった。
「あの…この街の人じゃないですよね?」
「あぁ…」
しかし、少女はまだ疑問が晴れて居なかった。
「以前…どこかでお会いしましたか?」
青年は少し困った顔をしていた。
「会ってないと思うがな…」
「そうですか…」
しかし、少女は青年と会話が出来ただけで嬉しさが込み上げた。
青年の声は、少し渋く低めの声で少女は青年の声に聞き入っていた。
「ほら女…ここだろ」
少女が顔を上げると紛れもなく自分の家の前だった。
「あ…ありがとうございます」
青年がそっと優しく少女を玄関前に立たせると、青年はすぐに少女に背を向け歩き出した。
「あ…あの!」
青年はチラッと少女を見た。
「お名前だけでも…」
青年は少女に顔を向けた。
「…レイヴァンだ
レイヴァン・T・ウォーカー」
レイヴァンが名乗り終えると、コートの中から黒猫が飛び出して少女の足下で体を擦り付けながらグルグル回っていた。
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