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レイヴァンはまた少し困った顔をした。
「ブラッド…もう行くぞ」
少女がブラッドと呼ばれた猫を抱き上げると、顔をペロペロと舐め始めた。
「きゃはっ!くすぐったいよぉ」
少女は余程ブラッドを気に入ったのか抱き締めていた。
「ふぅ……女…
…ブラッドを一晩預けても良いか?」
少女は嬉しそうな満面の笑みをレイヴァンに向けた。
「勿論!喜んでですよ!」
「魔獣が現れてもブラッドが居れば安心だ…」
少女はブラッドの顔を見ると、愛くるしい顔をした可愛い黒猫だった。
「この猫さん戦えるんですか!?」
レイヴァンは少しムスッとした顔をしながら少女に背を向け歩きだした。
「ブラッドは俺の相棒の使い魔だ…」
「使い魔…?」
少女がボーッとレイヴァンの背中を眺めているうちに見えなくなってしまった。
「あ…私の名前を教えるのを忘れてた…」
少女は泣きそうな顔をしたが、ブラッドが頬をペロッと舐めた。
「へへっ
ありがと…ブラッド」
『ニャン』
少女はブラッドを抱き締めながらゆっくりと家の中へ入っていった。
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