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レイヴァンがシュナリアの姉・シェリルの墓から離れてから5時間程経っていた。
陽は落ちかけていて、雲を綺麗に紅く染めていた。
その頃、レイヴァンは駅の近くの宿の二階でブラッドをベッドに寝かせ、近くの市場で買った林檎を食べていた。
「ブラッド…お前は最低一週間は解放するなよ…
勿論…《ディンゴ》の使用もな」
ブラッドはピクッと反応しレイヴァンの顔を心配そうに見ていた。
「心配するな…
一週間くらいならお前が居なくても…なんとかなるだろ」
レイヴァンは半分程食べた林檎をブラッドの目の前に置いた。
『ニャン…』
「食え…」
バシュッ! ドォォォン!!!
バズーカ砲の轟音が宿の壁を揺らした。
「チッ…近いな」
『ニャン!』
ブラッドはレイヴァンのコートのポケットに入ろうと立ち上がったが、レイヴァンがブラッドの体を撫でた。
「来るな…
無理にでも動くなら…捕術で動けなくするからな」
『ニャ……』
ブラッドが大人しく座ったのを確認するとレイヴァンは宿の二階の窓から飛び出して行った…
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