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青年が駅へ向かっている頃……
「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」
薄いオレンジとブラウンの中間くらいの綺麗な飴色の暖色を思わせる髪を振り乱しながら、逃げるように走る少女が居た。
いや…逃げるようでは無く逃げていたのだ。
銀色の毛並みを持ち、金色の瞳をして鋭い爪をもつハンター・ウルフは少女を執拗な迄に追い回して居た。
「はぁ…!だ…誰か……きゃっ!?」
少女は疲労した自分の脚に躓き転んでしまった。
『グルルルル…』
ハンター・ウルフら牙を剥き出しに涎を滴ながら少女との間合いを詰めて居た。
「いッ……!」
少女は躓いたのと同時に膝を深く擦りむき痛みで動けずに居た。
『グルルッ…』
ハンター・ウルフは飛び付く構えを取っていた。
「女!伏せろ!!」
少女は声の指示を反射的に聞き取り、すぐに伏せた。
ドゥンッ!!!
『キャンッ!!!』
ハンター・ウルフの左前足が吹き飛び、悲痛な鳴き声を上げながら必死に走って逃げて行った。
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