接触

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この日満州では、5ヶ月に及ぶ満州事変が、始まっていた。 山本、桜井、海野、そして私高橋の4名は、海軍省の外局である、海軍航空本部に来ていた。 10日も懸けて、難とか海軍航空本部技術部長の、山本五十六少将に、面会して貰える段取りを、着けた結果だった。 9月2日から毎日、箱根の富士屋ホテルに行き、電話を架け捲った成果だった。 会社名は、有限会社城西発動機と、名乗ったしだいだ。 図書室のパソコンを使って、大急ぎで桜井さんに、星型14気筒航空エンジンの設計図を、作って貰い、名刺もパソコンで作った。 とにかく研修所の用意は、万全に出来ていた。 山本少将に会えるまでに、何度足を運ぶことになるのか、判らないが、会えるまでは足を運ぶつもりでいた。 この日は、海軍省も慌ただしく、人が動いていた。 応接室で待っていると、技官らしき人を連れて、粋なり山本少将が入ってかたのだ。 挨拶しながら名刺を出す、これは今?も未来も、変わらない。 桜井が、技官に設計図を渡し説明をはじめる、観るからに顔色が変わるのが解った。 技官は、山本少将に小声で何話した。 山本少将が声架けてきた「君たちのエンジン性能は、凄い物だと技官は謂うが、設計図通りに馬力は出るのかね」 桜井はすぐ、はい!出ますと答えた。 「それが本当なら、直ぐ契約しよう」 これには、桜井も困って私の方を見た。 「山本少将には、私どもの会社に、一度足を運んでいたたいて、詳しく説明させていただきたいのですが、どうでしょうか」 「伺いましょう、何時がよろしいか」 「私どもは何時でも」「明後日9月20日に」 「御待ちもうしあげます」 我々4人は、思った以上の成果に胸を、踊されて帰路についた。 研修所でこの報告をすると、みんな両手上げ喜んだ。 まだ、大事な話しが残っている。 何を話し、なにを見せたら、我々10人が未来からの漂流者と、信用して貰えるのだろうか。 明後日までの2日は、忙しくなりそうな気配だ。
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