接触

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黒塗りのフォードが、砂塵を巻き上げながらやって来る。 海軍航空本部技術部長山本五十六少将の、乗った車だ。 我々10人は、研修所の玄関迎えた。 車から降りて来たのは、先日の技術と副官らしき人、そして山本少将だ。 我々10人と挨拶を交し、ロビーへと入った。ロビーを見回す傍に、副官が勢きなり、銃を抜こうとしたが、山本少将が止めた。 険しい眼で、山本少将が言う「話しを聴こうか」 我々の話しを聴きながら、徐徐に紅潮していくのか解る。 一通り話した後、研修所の主だった所を案内した。 山本少将も、パソコン、携帯電話-この世界では使うことは出来ないか-iボッド、薄型液晶テレビ、DVD、等など、見るに付け言葉少なになっていた。 我々10人が本当に未来から来たと、信じて貰えたようだ。 ここからだ、ここから話しの本題に入るのはここからなのだ。 我々の安全の保証、生活必需品、食糧、エネルギー、そして身の安全にも関わりがあるが、行動自由だ、有りてえに言えば陸軍東京憲兵隊からの保護、これ等を山本少将いや海軍に認め為せなくてはならない。 交渉これまたあっさりと、まとまってしまった。また、鈴木貫太郎予備役大将-今は?天皇陛下の侍従長をしている-米内光政中将にも会わせて、貰えることになった。 技術移転のために、優秀な学生、研究者等ここ研修所に送り込む話しも、まとまった。 「海軍の中には、満州に詳しい人はいますか?」 「何故、そのようなこと!何かあるのですな」 「何かと言われれば、あるんですが」 「なんですかな、そのある物とは」 「石油です」 「石油!が満州で、出ると言うこと」 「黒龍江省に出ます、それも今の帝国で、使う石油の20倍以上、昭和16年でも10倍の量です」 「なんと!」 「あと、五ヶ月ほどで満州は陸軍に占領されます、来年の3月には満州国が誕生します、沿うなったらすぐに、行動出来る用準備して於いてください」 「わかりました、準備為せましょう、ほかに何か?」 「今の所はそれくらいです」 「判りました、ここにはすぐに、海軍の者を配置します、ほかに無いようなら、おいとましますかな」 「本日はわざわざお越し頂きありがとうございました」 「なんのかれさき、それではよろしく」 来た時と同じく、砂塵を巻き上げ帰っていった。
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