基礎

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海軍航空本部技術部長山本五十六少将との会見の翌日から、工事が始まった。 トラック数台が丸木橋の向こう側に止まり、丸木橋を、トラックが通れる用に、強化為ている用である。 海軍横須賀特別陸戦隊の大尉が、朝方来てくれた。 本部は、邪魔にならない用気を使ったのか、玄関脇に本部をおあたらしい。 昼に、丸木橋の強化が終わったのだろうか、トラックが渡って来る。 人促たちが穴を堀始めたようだ、電柱でも立てるつもりなのか。 午後一番で、強化された丸木橋を、バス通って来る。 軍司さんと私二人で、出迎えた。 約20人ほどだ、早速会議室に入れて専攻分野を聞き出す。 その後は、分野ごとに分け、小会議室で技術移転の講義を始めた。講義と言っても、実際に教える訳ではない、パソコンで呼び出した、今はない?論文、未来に出る基礎論文と、応用論文のコピーを、読んで貰うたけの話しだ。 「高橋さん、第一陣の中に糸井先生?がいますよ。」 「あの、蝶型フラップのか?」 「はい!蝶型フラップのです」 「おお!それは凄い事だ」 夕方前に、陸戦隊の大尉といっしょに、伊澤という中年のおばさんがやって来た。 私たちの賄いを作ってくれるそうである、これには大変大助かりだ。 11月に第二陣を受け入れた。 12月には第一陣の討論会もはじまり、我々の仕事も大車輪の忙しさとなりだした。 そんな中で、時空移転した年も、暮れようとしていた。 「ふぅ、やっとこれで一息つける」くたびれたように、伸びをしながら、石川が食堂の椅子に、ドサッと腰おろした。 「大変な4ヶ月だったなぁ」相槌をうつのは田中だ。 「高橋さん、これからどうなるんでしょう」「どうなるって、目標は一つだよ」 「戦争回避ですか?」「そういうこと」 「満州じゃ、まだ続いてますよ、戦争」 「あれは、戦争じゃない、事変だ」 「またぁ、そんなこと言って、よしてくださいよ、オタメボカシは駄目ですよ」 「でもな、小さな戦争とか、大きな戦争とか、言う積もりはないけど、この先の戦争を回避するためには、日本とって満州は必要な所なんだ、それに来た?ばかりの我々には、満州事変は止めようもなかった」 「それはそうですけど、これからの戦争止められますか?」 「だから、今努力してるんじゃないか、やるだけやって見ようじゃないか」 「はい!」 時空移転最初の年が暮れた。
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