基礎

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1月中旬第三陣の受け入れが始まった。 「半分が軍関係ですか、正月に教育ですなんて言った成ですかねこれ」と白石が、頭を掻いた。 「服装看ると海軍ばかりだね、そろそろ陸軍にも声掛けないとならないか」 「高橋さん、陸軍はダメって言ってませんでした?」 「陸軍は、頭堅いからねぇ。でも何時までも投っておけ無いし、満州は陸軍じゃないと守れない」 三回目となれば受け入れも、もたもたせずに出来る用に成ってくる、さすがに60人となれば10人では、面倒看きれない。 「研修生の面倒看る人、雇わないとならないかな」 「そうですね、このままじゃ動き取れなくなりますよ」 「陸軍のことあるから、山本少将に相談してみるか」 「研修生が研修生の面倒看てるんですから、変な具合ですよ」 研修生が研修所に来て先ず驚くのは、内装の豪華さと、見たことのない機器せいだ。 そして、もう一つは教材として配られる、各種の論文だ。 最初は目を見開いて、色を無しているが、その道の専門を目指すだけあって、さらりと受け入れている、たいしたものだ。 2月、山本少将に頼んで置いた助手がやっと来た、これでいくらか楽になるはずだ。 陸軍関係の返事は、まだない。 縄張り意識があるのか、満州のことで陸軍省が忙しいのか?わからないが、後者であって欲しいものだ。 月末に大雪が降った。雪の中伊澤さんが来てくれて、昼前に4食分のご飯を作り帰っていった、神技だ。 バスも止まり、研修生も助手も居ない、研修所の中は久方振りの、水いらずになった。 「静かですね、暇してると平成のこと考えてしまいます」鈴木が続けて「すみません、泣きごと言って」 「いいんだ、元の時代に帰りたいとみんな思っているよ」 田中も「何時戻るのか戻れるか、判ればなぁいいんだけど」 「考えても仕方ない、来た時の用に突然戻るよ、それまでは此処で生きるしかないだろう」 「この研修所、なんでこうも、統べて揃っているのか、不思議なんだ」軍司が言った。 軍司は今、研修生受け入れの責任者として、動いている。 「数えたら限無いけど、先ずはあの車だよ、中身は平成で見掛けは昭和、出来すぎてないか?ガソリンと発電機の燃料の量、そして食糧、一番は、どんな論文も揃っていること。まるで、コウナルコト解って要るみたいだ」軍司はゆくっくり、一語一語いい聴かせるように、みんなに語った。
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