330人が本棚に入れています
本棚に追加
1月中旬第三陣の受け入れが始まった。
「半分が軍関係ですか、正月に教育ですなんて言った成ですかねこれ」と白石が、頭を掻いた。
「服装看ると海軍ばかりだね、そろそろ陸軍にも声掛けないとならないか」
「高橋さん、陸軍はダメって言ってませんでした?」
「陸軍は、頭堅いからねぇ。でも何時までも投っておけ無いし、満州は陸軍じゃないと守れない」
三回目となれば受け入れも、もたもたせずに出来る用に成ってくる、さすがに60人となれば10人では、面倒看きれない。
「研修生の面倒看る人、雇わないとならないかな」
「そうですね、このままじゃ動き取れなくなりますよ」
「陸軍のことあるから、山本少将に相談してみるか」
「研修生が研修生の面倒看てるんですから、変な具合ですよ」
研修生が研修所に来て先ず驚くのは、内装の豪華さと、見たことのない機器せいだ。
そして、もう一つは教材として配られる、各種の論文だ。
最初は目を見開いて、色を無しているが、その道の専門を目指すだけあって、さらりと受け入れている、たいしたものだ。
2月、山本少将に頼んで置いた助手がやっと来た、これでいくらか楽になるはずだ。
陸軍関係の返事は、まだない。
縄張り意識があるのか、満州のことで陸軍省が忙しいのか?わからないが、後者であって欲しいものだ。
月末に大雪が降った。雪の中伊澤さんが来てくれて、昼前に4食分のご飯を作り帰っていった、神技だ。
バスも止まり、研修生も助手も居ない、研修所の中は久方振りの、水いらずになった。
「静かですね、暇してると平成のこと考えてしまいます」鈴木が続けて「すみません、泣きごと言って」
「いいんだ、元の時代に帰りたいとみんな思っているよ」
田中も「何時戻るのか戻れるか、判ればなぁいいんだけど」
「考えても仕方ない、来た時の用に突然戻るよ、それまでは此処で生きるしかないだろう」
「この研修所、なんでこうも、統べて揃っているのか、不思議なんだ」軍司が言った。
軍司は今、研修生受け入れの責任者として、動いている。
「数えたら限無いけど、先ずはあの車だよ、中身は平成で見掛けは昭和、出来すぎてないか?ガソリンと発電機の燃料の量、そして食糧、一番は、どんな論文も揃っていること。まるで、コウナルコト解って要るみたいだ」軍司はゆくっくり、一語一語いい聴かせるように、みんなに語った。
最初のコメントを投稿しよう!