戦火

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「なんだよ、出番無しかよ。」 「益子軍曹そう気を落とさないでください。まだ、出番は有りますよ。こんなこと言うのも変ですけど、始まったばかりです。」 「でも、これで見てみろよ。飛行隊の奴ら一つ残さず片付けて行きやがった。」 「BTだけで54両も、これは残って無いかも。大隊一個分撃破したんじゃ..」 「おい、そうだろう。少しは残しとけってもんだろう。九七式改の出番ぐらいよ。」 「ソ連軍も戦車隊が一個大隊しか無いってことないですよ。」 「でもよ、この調子で飛行隊の奴らが撃破してたらと、考えると出番無いぞ。」 「高見の見物と行きましょう。」 「出来るか、穴蔵に入ってんだそ。」 「・・・・・」 「参謀長!」 「なんだ?辻参謀」 「ソ連軍の補給を断つために、アフレーモフ鉄橋の破壊を具進します。」 アフレーモフ鉄橋。 ソ連満州国境にある漠河より北西110キロにある、シベリア鉄道の鉄橋である。 「アフレーモフ鉄橋を落とす事ができれば、ブラゴゥェシチェンスク。・ハバロフスク・ウラジオストックへの補給を断つ事ができます。これで、満州北東部への圧力を減らせます。」 「作戦には、何を使うのかね。」 「試作重爆撃機を使いたいと」 「まだ、機数が揃って無いだろう。」 「増加試作があると、聞いてます。あれなら護衛戦闘機が要りません。」 「うむ。」 「満州里方面にソ連軍を集められれば、叩き易くなります。今日の航空戦を看れば、我が軍に有利に働くと考えます。」 「我も集中、彼も集中か。補給線の長さでは有利に働くかも知れん、どのみちシベリア鉄道は叩かねば成らんからな。」 「それでは。」 「うむ、やって損は無いだろう。」 「直ぐに掛ります。」 アフレーモフ鉄橋への爆撃は明後日に決定した。 新設成ったばかりの、第一戦略爆撃機隊。
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