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携帯の目覚ましが鳴っている、研修初日を迎えたのだ。ジャー姿のままで食堂に行くと、軍司さんと山本さんがコーヒーを飲んでいた。
「おはようございます」
「おはようございます」
山本が賄いのおばちゃんがまだ来てないことを教えてくれた。
朝食はと聞くと、冷蔵庫にあったパンとジャムで、済ませたという。
私もそれに習った。
バネルを見ると、まだ発電機が動いている。「テレビが映らない、地上デジタルも衛生もと」
軍司がイブガシゲに口にした。
昨日の雷の生かと調べたが、そうじゃ無いらしい。
みんなが食堂に集まりだし、思いおもいに食事をはじめた。
白石が、
「テレビが駄目なら、ラジオはどうですか?」
早速、携帯のラジオでスキャンしてみる。
「NHKしか入らない」
「外の様子は?」
桜井がカーテンを開けて見るが、別段変わった所は見付からない。「外に出て調べて見ましょう」
海野が外に駆け出した。
「ここの冷蔵庫何でもありますよ」
呑気に構えてるのは、田中だ。
一瞬、場が和んだ。
桜井が外の様子見ながら、
「何か?変に感じるけど、なんだろう。」
疑問を口にしながら、考え込む風だ。
「携帯、忘れてた!」石川が言うなり、
「アンテナ一本も立なですよ」
そこへ、海野が勢いよく走り込んで来た。「橋が消えてます」
「橋って?」軍司が聞き返した。
「研修所に来る時にあった橋が丸木橋に変わってるんです。」
鈴木が「ここって屋上あるのですか?」
みんな一斉に駆け出した。屋上から見ると、研修所から100mほどでアスファルトが消えいた。その先は車が一台通れるぐらいの畦道のように変わっていて、橋も丸木橋に変わっていた。食堂へ戻ると、誰も口を開こうとしなかった。不意に石川が「ひょっとして、時空移動したんじゃありませんか?」
と、口を開いた。
「時空移動って?よく小説にあるあれか」
「わかりませんけど」「調べに行ってみますか、ここに居ても何分からない」
「それは、辞めた方がいいんじゃないですか?」
「軍司さんは反対ですか?」
「反対じゃないですけど、もし石川さんが言うように、時空移動してたら、何時戻るかわかりません」
「時空移動してるかどうかも分かってないんですから、調べて見ないと」
「私も行きましょう」高橋と軍司が席を立った。
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