タイムスリップ

2/4
前へ
/46ページ
次へ
携帯の目覚ましが鳴っている、研修初日を迎えたのだ。ジャー姿のままで食堂に行くと、軍司さんと山本さんがコーヒーを飲んでいた。 「おはようございます」 「おはようございます」 山本が賄いのおばちゃんがまだ来てないことを教えてくれた。 朝食はと聞くと、冷蔵庫にあったパンとジャムで、済ませたという。 私もそれに習った。 バネルを見ると、まだ発電機が動いている。「テレビが映らない、地上デジタルも衛生もと」 軍司がイブガシゲに口にした。 昨日の雷の生かと調べたが、そうじゃ無いらしい。 みんなが食堂に集まりだし、思いおもいに食事をはじめた。 白石が、 「テレビが駄目なら、ラジオはどうですか?」 早速、携帯のラジオでスキャンしてみる。 「NHKしか入らない」 「外の様子は?」 桜井がカーテンを開けて見るが、別段変わった所は見付からない。「外に出て調べて見ましょう」 海野が外に駆け出した。 「ここの冷蔵庫何でもありますよ」 呑気に構えてるのは、田中だ。 一瞬、場が和んだ。 桜井が外の様子見ながら、 「何か?変に感じるけど、なんだろう。」 疑問を口にしながら、考え込む風だ。 「携帯、忘れてた!」石川が言うなり、 「アンテナ一本も立なですよ」 そこへ、海野が勢いよく走り込んで来た。「橋が消えてます」 「橋って?」軍司が聞き返した。 「研修所に来る時にあった橋が丸木橋に変わってるんです。」 鈴木が「ここって屋上あるのですか?」 みんな一斉に駆け出した。屋上から見ると、研修所から100mほどでアスファルトが消えいた。その先は車が一台通れるぐらいの畦道のように変わっていて、橋も丸木橋に変わっていた。食堂へ戻ると、誰も口を開こうとしなかった。不意に石川が「ひょっとして、時空移動したんじゃありませんか?」 と、口を開いた。 「時空移動って?よく小説にあるあれか」 「わかりませんけど」「調べに行ってみますか、ここに居ても何分からない」 「それは、辞めた方がいいんじゃないですか?」 「軍司さんは反対ですか?」 「反対じゃないですけど、もし石川さんが言うように、時空移動してたら、何時戻るかわかりません」 「時空移動してるかどうかも分かってないんですから、調べて見ないと」 「私も行きましょう」高橋と軍司が席を立った。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加