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「軍司さん、行くにしても歩いてはいけませんよ」
「私たちの車では、丸木橋は渡れそうもないし」
「みなさん!こっち来てみてください」廊下で、海野がみんなを呼んだ。そのに入ると、数台のパソコンと書籍がならんでいた。どうやら図書室らしい。この研修所に着いて、間もない私たちは、ここ付いて何も知らない。パソコンの画面には、ここの見取り図が表示されていた。外へ行くための、交通手段が有るかも知れない。そこで「海野さん、何か交通手段が有るか検索してくれる?」
「ええ、そう思って今探しています」
「出ました、車が五台に、バイクが三台、他に、自転車が十台?!隣の博物館に有ります」
「博物館って?動かなくては意味がない」
「稼働状態と、表示されてます。あれ?」
「今度は何?」
「現金!金庫のロックナンバーも出てます」「とにかく、博物館に行きましょう、車は無理だが、バイクか自転車なら丸木橋行けるでしょう」
「そうですね、軍司さん」
田中が「でかい建物ですよ」と、指差した。図書室の窓一杯の二階建ての建物だった。
とにかく、みんなで博物館へ行く。
T型フォードに似た車が五台並でいた。
桜井が車を調べると、中身は全て現代風で、見た目だけが、クラシックなだけと、説明した。「この幅なら丸木橋渡れますよ」と、桜井が言う。
何か出来すぎと思いながら、詮索は後と割り切って、車に乗った。そこへ、海野さんがお金を持って来た。
「昭和初期のお金です、持っていってください、もし時空移動してたらこれ、役に立ちますよ」
昭和初期と決まった、詮索は後で、箱根の町へ急ぐことにした。
観るからに其所は、昭和その物だった。
箱根登山鉄道の駅で、新聞を買い研修所に戻ることにした。
図書室に戻ると、みんな心配に待って居てくれた。
みんなの前で新聞を展げた、日付は昭和六年九月一日・・・買ってきて新聞三部ともに同じ日付・・・・
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