10代

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十代の私は、親の言われた通りに行動する子供だった。親の愛情がほしかったから…。 父親は優しくて、私に対してはあまり「勉強」「勉強」と言わなかった。 オカンは毎日、毎晩、「勉強しろ!」と怒鳴っていた。小学生の時、放課後遊んだことがない。 小3の時、九九をお風呂の中で言わされたことがある。2の段から最後まで。しかも、熱湯が出っぱなし状態。つまると、最初から。湯船から出ることも許すされず、頭がボーッとしながらも言わされた。確か、毎日のように。何ヵ月か続いた記憶がある。 小6になると、お昼から早退させられ、家に戻らないといけなくなった。 ある日、帰らない時があった。学校へ親から電話がかかり、強制的に戻された。 中学から親元を離れて、私立の学校に行かされた私にとって、実家から離れることは悲しくなかった。むしろ、嬉しかった。もう勉強しろ!ってオカンに言われなくてすむ。この思いだけだった。 二年間は一人暮らしをしていた。テレビもなければ、オーディオすらなかった。あるのは、古ぼけたラジオだけ。ラジオが好きになっていった。中でも、ラジオドラマが好きだった。毎週日曜日の深夜にしていたやつ。 私が一人暮らしをしてる間、土日はオカンが来ていた。正直、うざかった。きてほしくなかった。その思いが通じたのか、徐々に、毎週が二週、1ヶ月、半年となっていった。 食事?もちろん、自炊。お金なんてもらってなくて、学校に自分で作ったお弁当を持って行ってた。 オカンが作る食事よりは美味しかったよ。
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