夜をつれて…

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彼の背中には べったりと深い闇が取り憑いていて 昼間に会っても ヒンヤリと夜息に触れてる感じがする 夜に取り込まれてしまったような男 近づいたら イケナイと 心がブレーキをかけるのに… 気がつけば、やっぱり 彼の横で夜と共にいた あまり話さないけど 不思議な安らぎをくれる 夜に抱かれながら そのすべての行為に 溺れていく それでも 彼の中には 踏み入れられない もっと 深い闇がある 全部知る必要はない 今は彼の夜と闇の中で 熱い息をくれる それだけが生きる証し 見つめる瞳に映る私… いつのまにか 私にも夜が取り巻いている 彼の闇に溶けてなくなってしまいたい 魂ごと彼の中に溶けていく まぐわう事より 彼の中に溶けて私の感情さえ消して欲しい 今夜も長い夜… 星も月もない漆黒の闇… 夜気がカラダに夜の手触りをくれる
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