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午前中の授業が終わり、小学校からの最高のパートナー宏之と目を合わせる。
俺たち2人はそれを合図に教室を飛び出す。
それを見た何人かの男子が、ハッとした表情をしながら慌てて走り出す。それでも俺たち2人に追いつくことは到底できない。
「宏之、完璧なタイミングだな」
「あぁ、この日のために、斉藤の授業を終わらせるタイミングについて研究してきたんだからな。ここで出遅れるわけにはいかないさ」
宏之は白い歯を見せて笑いながら親指を立てた。
当然、走る足は全速力のままだ。
背後から聞こえるクラスメイトたちの叫び声にも耳は傾けない。
教室では、さっきまで数学の授業をしていた斉藤とクラスの女子たちが呆れてる頃だろう。
でも男子にとっては関係ない。
今日は、半年前に販売を中止したコロッケバーガーの1日限定販売日なのだ。
「あの味は思い出すだけでよだれが止まらなくなるんだよな」
興奮気味の宏之が言った。
「そうだな、あれはどこの高級レストランだって勝てないうまさだ」
わずか20秒程度で購買部にたどり着くと、そこはもう人でいっぱいだった。
棚に積んであるコロッケバーガーは………なんとか入手できそうだ。
「いくぞ宏之」
「了解だ、慶太」
俺たちは人ごみの中に飛び込んだ。
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