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………。
「なるほどねぇ」
先生は思いのほか真剣な表情で聞いていてくれた。
割と参考になりそうだ。
「どう思います?」
「そうね。君が恋愛がらみの相談なんて言うから、先生どんな内容なのかドキドキしちゃったよ。でも、それって結構簡単な話なんじゃない?」
「簡単?」
「うん、だってさ、人が人を好きになるのはどうしようもないって気付いたのは自分なんでしょ?だったらそれでいいじゃない。その子、佳美ちゃんっていうんだっけ?もし君が本当に好きなら言ってあげなさいよ。その気持ちを無駄に抑えつける方が身体に悪いわ」
先生の表情は笑顔だけど相変わらず真剣だ。
「………本当に、それでいいんですかね?迷惑だったりしませんか?」
「まぁ、いいことだとは言わないけど、でもそんなの仕方ないじゃない。好きになったものをそれは悪いことだからやめなさいなんて私には言えないし、なにより迷惑だろうとなんだろうと好きなんでしょ?だったら変わらないじゃない。あなたが誰かを好きになるのは自由よ」
こんなにきっぱり言われるとは…………。
でも、言われてみれば確かにそうなのかもしれない。
「あと、わかってるとは思うけど、エッチなことはしちゃダメよ」
「わっ、わかってますよ。そんなことしませんよ」
俺は自分でもわかるくらいに顔を真っ赤にして反論した。
「ごめんごめん。でも君ならやりかねないからね。慣れてそうだし」
「………先生」
「ふふっ、冗談よ、冗談。じゃあそろそろ帰りなさい。保健室はこんな時間までいるところじゃないわ」
「………先生、ありがとうございました」
先生にはからかわれたけど、やっぱ相談してよかったと素直に思えた。
「別にいいわよ。誕生日のプレゼントにおもしろい話を聞いたってことよ」
矢田先生の笑顔が大人の女に見えてドキドキした。
なんか今日はドキドキしっぱなしだな。
「先生、今度先生を抱いてあげようか」
「………ばぁか。私は年上好みなの。そんなこと言うのは10年早いわ」
先生に頭をファイルでたたかれて、俺は保健室を後にした。
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