タイム0

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 おやじ虫が話し出す。 『ここは4次元。  私はここから来た。知ってるかもしれないが、まず点が0次元、線が1次元平面が2次元。君達のいる平面に高さの加わったのが3次元。  そしてそれに時間が加わった物、それがここ4次元だ』 『はあ……』 『3次元の君達からしてみれば、2次元の平面、例えば紙なんかを切ったり貼ったり折り曲げたりは造作もない事だけど、2次元の者からしたら理解不能なんだな。  高さの概念がないんだから……。  それと同じ様に君に理解不能な操作が、4次元の者から3次元には可能なんだ。  それが時間操作』 『時間……?』 『色々あるけれど、その一つは、君の意識を過去に移動させる物。君は、君の知ってる過去を今の意識で、昔の身体で操作出来るんだ』 『過去を変えられるって事?』 『ちょっと違うな。  過去は変わらない。君は君のままだ。  だが、世界が枝分かれしてもう一つの世界が出来る』 『パラレルワールド?』 『面白そうかい?  実際、僕らは、退屈しのぎに3次元を色々作ってみるんだけど、3次元の人の方が見てて面白いモノを作るよね。  僕らをタイムボヤージ虫と呼んだのも3次元の人だよ』
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