序章 始まりは出会いから

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漸く終わった頃には既に日は落ちかけ、月が彼方から頭が出しかけていた。 やれやれと思い、徒歩で家へと岐路に着く。 此処で上流貴族ならば牛車で帰る事は出来るだろうが、俺の家にそんな余裕は無い。 だから俺は徒歩で帰るしかないのである。 日は落ちかけとはいえまだ明るいのでそこまで速く帰る意味は無かったので、たまった仕事を残ってやればよかったが、あそこにいて、あの人に会わないという保障も無かったのでさっさと帰る事にした。 そういえば、休憩時間の合間に聞いた話では、最近通りに女の怨霊が出て人々の精気を奪っていくのだとか。 噂話が好きな女房の魔の手にかかって何十分の延々話された。 あーだからああいう噂話の好きな女房は嫌いなんだ……
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