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時は平安の世。
夢の様な平和な世界……
誰もがそんな夢を抱いていたのは当の昔。
今の都は荒れ果てて、一日を過ごすのも辛い者達もいる。
それに対し、今でも雅な服を着て、のうのうと日々を過ごす貴族達もいる。
俺――氷月雫も人様の上に立ち、のうのうと生きている貴族の一人。
家はそれなりに裕福だが、大貴族の様に大きすぎるほどのやかたに暮らしてる訳ではない。
それでも……住む家も無い者達に比べればずっとずっとましだろう。
俺は朱雀大路を歩き、とある場所に向かっていた。
なにやら、しんどそうな事を頼まれそうな気がするんだ。
俺の勘は結構当たるから……不安だな。
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