序章 始まりは出会いから

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「……」 ……話し声が聞こえるな。 その声で目が覚めた俺は上半身を起こす。 だが、頭はぼんやりとして未だに働いていない。 「……若君はただいまお休み中の様です……」 頭が働いてなくても、少し集中すればこの部屋近くの音位は拾う事が出来る。 俺は普通の人じゃないと幼い頃か言われ続けた。 幼心で、自分が人とは違う『異形の者』だと分かっていた。 音を拾える範囲が人とは違うとか、人には見えないものが見えてたりとか、兎に角自分が人では無い事を自覚してた。 ……だからだったかな? 人との付き合いをなるべく断って、自分に巻き込まれない様にしたのは…… それでも、音を拾う能力が高いのは時々助かるから良いんだけどな。 今回はそれを活用させてもらいますか。
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