序章 始まりは出会いから

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「すみません。黄玉様。もう少しお待ちいただけませんか?」 澄んだ少し高い女性の声はそれから真面目さが感じられる。 おそらく、文月だろう。 姉か妹のどちらかと言えば、分かりにくいが、まあ真面目そうな声だから多分妹の方だろう。 妹は真面目、姉はのんびりで天然さんだからな。 で、応対してる相手は黄玉様……って本当にあの黄玉様か!? おいおい、こんな中流貴族の家のただの跡取り息子のこの俺に何の用なのやら…… 黄玉様は、東宮様で次期御上になられるお方で、本来ならば俺なんかお近づきなれる人じゃない。 そんな人が此処に来たって事は何か重大な問題でもあったのだろうか?
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