第三章 心とは

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「……私には何も出来ないかもしれません。けど……兄様は……兄様は……」 妹姫は僅かにしゃくりあげて、泣き始める。 わたしは後ろ頭を決まりが悪そうにかく。 どうにもこの姫に泣かれると、自分が泣かした気になる。 年齢の差がそう感じさせるのだろうか? 「……椿姫は本当に雫が好きなのですね」 目を閉じ、僅かに笑う自分が可笑しいのか、姫は泣き止んで、笑った。 それだけで罪の意識は晴れていく。 この姫は本当に雫が好きで、それだけの思いで此処まで来たのだろう。 危ないのに、見付かってはいけないのだからと、一人闇に溶け込む様な色の衣を纏い、駆け付けたのだろうか。 何て強い姫なんだろうかこの姫は…… ……わたしにはあまりこの姫は理解出来ない。 自分とあまりに違う人だからだろうか…… 考えても分からない事は考えない方が良いのだろうか?
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