第三章 心とは

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「……っ……はあはあ……」 「……」 幾度、交錯しただろうか? それで自分は傷付いていくばかりに対し、雫は傷一つ付く事は無い。 雫の瞳に揺らぎは無く、光の無いその瞳はただ此方を見ているだけ、自分が映っているのかも分からない。 言い訳するつもりは無いが、わたしの後ろには黄玉様に椿姫がいる。 この二人を傷付けさせる訳にはいかないから、此処を動く訳にはいかないし、此処を通す訳にもいかない。 二人を守る為には自分が盾になるしか無いのだ。 二人は自分が作った結界の中に入っている。 今の雫にはそれを破るのは容易いだろう。 だからこそ……此処を通す訳にはいかない……!! 「……はあっ!!」 気合いと共に放つ霊力は雫の太刀で壊される。 雫はそのまま、突進してくる。 自分の後ろには二人がいるから避ける訳にはいかない。 それに雫を助けるたった一つの策がある。 命をかけて行う策が……
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