第三章 心とは

6/12

35人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
太刀が胸に刺さる瞬間、ほんの僅か体をずらして太刀を肩に刺さる様にする。 「ぐ……あ……」 激しい痛みが体に走るが、此処で意識を失う訳にはいかない。 これが最後の賭けなのだから。 「この距離なら……逃げられまい……」 そっと雫の額に人差指と中指をくっつけて置く。 「ぐ……あああっ!!」 それをしただけで雫は苦しみの声を上げ、上体を大きく仰け反らせる。 雫の背後に見えるのは、艶やかな女性。 「……何の因果で雫にとりついたのかは知らない。……我の友人に憑いたのが運のつきだ。成仏してくれ」
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加