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指に込めた霊力を更に多くすると、艶やかな女性の霊は雫から離れる。
離れた所をすかさず霊の一部分を掴もうとするが、これが中々抵抗が激しい。
肩の傷の痛みの性で目の前がやや霞んできている。
少し危険な状態かなこれは。
「死んだ者が此処に留まってはいけないよ。……抜け出せなくなるからな」
此処は死んだ奴にとっては永遠の地獄だ。
だからこそ、此処にいてはいけないというのだが、総じてその話を信じる幽霊はいないんだよなあ……
今のこの都の状況が、幽霊達にとっては住み心地が良いのかもしれない。
荒れてるしな今の都。
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