第三章 心とは

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指に込めた霊力を更に多くすると、艶やかな女性の霊は雫から離れる。 離れた所をすかさず霊の一部分を掴もうとするが、これが中々抵抗が激しい。 肩の傷の痛みの性で目の前がやや霞んできている。 少し危険な状態かなこれは。 「死んだ者が此処に留まってはいけないよ。……抜け出せなくなるからな」 此処は死んだ奴にとっては永遠の地獄だ。 だからこそ、此処にいてはいけないというのだが、総じてその話を信じる幽霊はいないんだよなあ…… 今のこの都の状況が、幽霊達にとっては住み心地が良いのかもしれない。 荒れてるしな今の都。
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