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僕達の中で唯一戦える黎明が気絶してしまった。
何としてでも椿姫を守らなければ……
雫は黎明が取り落とした太刀を無造作に掴む。
防ぐ方法は僕達には無い。
万事休す……!!
「……すいません……黄……玉様……」
かすれた雫の声に、僕は目を見開き彼を見る。
雫はおもむろに持ち上げた太刀をあろう事にか腹に刺す。
「雫……!?」
「兄様!!」
椿姫は直ぐに雫の傍に駆けつけ、何とかして血を止めようとする。
僕はそちらをちらちら見つつ、黎明の肩を服のすそを破ってくくりつけて血を止めようとする。
こちらの血は何とか止まったものの、向こうは……
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