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エピローグ
深夜2時。
スナック『袋小路』は閉店の為、ラストソングが流れていた。
「マスター、聞いてよ。」
「今日は飲みすぎですよ剛ちゃん。」
小島 剛(こじま つよし)は先週30歳になった。
広域指定暴力団山義組系『蛭田組』に世話になっている。
まあ準構成員である。
剛は自分の人生に於いて、一番の決断をしなければいけない事態に追い込まれていた。
だからへべれけになるまで飲んでいても、頭だけは酔えずにいた。
「マスター、ねえマスター。俺どうしたらいい?」
「そうね~、帰って寝た方がいいよ。」
マスターは剛の前にそっとミネラルを置く。
剛はそれを一気に飲むと、タバコに火をつけた。
「マスター。そんな事聞いて無いよ。明日から俺どうしたらいいのか分からないから聞いてるんだよ。」
マスターは剛の状態を改めて見直した。
そして一つため息をついて
「そっか、じゃあ店閉めてからじっくり聞くよ。」
そう言って外の看板を仕舞に行った。
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