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暗い、暗い闇の中。少年──リベラル・アサインメントは1人、ぽつんと立ちつくしていた。
「ここは…どこなんでしょう。リック…皆さんは…?」
周りには、誰も、何も見えない。ひたすら闇と静寂が広がっている。
「最近疲れているせい、ですかねぇ…。こういう変な夢を見る事が多くなりましたね」
リベラルは軽く笑って、溜め息をついた。
「…ん?」
ふと、少し離れた場所に幼い少女の後ろ姿を捉えた。
リベラルは、その後ろ姿に何故だか見覚えがある気がした。
「貴女は?」
少女はリベラルの声に気が付いたのか、此方を振り返った。表情等は前髪で隠れていて、よく見えない。
少女はリベラルの顔を見た途端、可笑しそうに笑いだした。
「な、何ですか?」
「くすくす。だってあなた、とってもかなしそうなんだもの」
「!」
リベラルは右手で頬にそっと触れた。指がしっとりと濡れている。
「何でまた、僕は泣いてるんですかねぇ…」
苦笑し、袖で涙を拭った。
「くすくす、へんなひと」
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