池田屋事件の話

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「吉岡ぁ!!!!!」 沖田の怒鳴り声に目を開けると、おれは血にまみれていた。 不思議と痛みはない。 おれの前で沖田が腹を押さえて膝をつくのを見て、庇われたのだ。と気づいた。 「人の話を聞かない人だな、あなたは。」 そういう間もゼエゼエと苦しそうな息の沖田。 「言ったでしょう、油断してたら、斬られるって!!!」 ゴホゴホと咳き込む。 「ここはのう内輪で仲良くやっとる場所じゃあないんじゃ!!!」 歳麿が斬りかかる、よろけながらも辛うじて避ける沖田。 その動きは先ほどとはうって代わって危なっかしい。 「沖田さん」 手をかそうとしたら、睨まれた。 「大丈夫です。」 壁に手をつき、よろけながら立ち上がった。 「血は出てますが、中に楔を着ていますから、大した傷じゃあありません。」 そうは言うもののやはり顔色は悪く、呼吸も苦しそうだ。 「あなたは、あなたの敵の相手をしてください。」 そう言う声は弱々しく、また、膝をついてしまった。
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