診療所の娘の話
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先にも記述した通り、今の京都は荒れに荒れている。 医者である私たちがいくら治療しても、毎日毎日怪我人がつきず。 医者として、一京都町民として、全く嘆かわしいことね。 だって攘夷派の長州浪人はただ己の国を守ろうとしているだけだもの。 私が許せないのは――― 「遊、遊、何をしている」 ーーー日記を書いている私の背後から低く穏やかな声が呼び掛けた。
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