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「沖田さんねぇ」
う~ん、と蔵之助。
「爽やかな人だよな。表向きは。」
「何だ、その含んだような言い方は。素敵な方じゃないか。あんなに若くして、副長助勤、天然理心流塾頭なんだぞ、あの人は。」
熱烈に語る八十八。
八十八は沖田に好意を寄せているようだ。
「もちろん、沖田さんはすごい人さ。誰だって憧れる。…でも、やっぱり恐ろしいと思う時だってあるだろ。」
「それはお前、自分が刀が下手だからじゃないのか。確かに沖田さんは、剣道に関しては厳しいところはあるが…」
「そうそう、"刀で斬らず、体で斬れ!!!!"だもんな 」
沖田の真似をしてみせる蔵之助。
「でもな、おれが言ってるのはそういうことじゃないんだ。」
「どういうことだ。」
いきなり神妙な面持ちになった蔵之助の態度に、怪訝な様子の八十八。
これは何か知れそうだ、と吉岡も耳をそばだてた。
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