沖田という男の話

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沖田は、新選組内部の人間でも、躊躇わずに殺すのか。 二人の話を聞いても、吉岡はなんとなく気がすまない。 沖田は血に飢えているのか。 そんな気は、しない。 新選組に入る前は沖田は狼だと思っていた。 だが、新選組に入ってからは――― 近藤や土方、仲の良い隊士と話をしている、沖田。 屯所の近くにいる子供達と楽しげに遊ぶ、沖田。 刀を握りしめ殺気を放ちながらも、自分を庇ってくれた、沖田。 ――吉岡の見た沖田は紛れもなく人間だった。
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