沖田という男の話

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「咳の音が外まで聞こえていましたよ。風邪でも引いているんじゃないですか。」 「私の咳は、幼い頃からです。」埃っぽいところが苦手で、と沖田。 「沖田さん、あなた池田屋の時から具合が悪そうです。今だってほら、やっぱり熱がある。」 沖田の額に手を当てる吉岡。 「ああ~、まあ、熱はありますけど。」 観念したのだろうか、話し始める。 「でもこれは、最近ずっとなんです。疲れてるのかな。」 聞くと半月前位から微熱と倦怠感が続いていたらしい。
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