沖田という男の話

13/13
前へ
/239ページ
次へ
それを聞いた吉岡は、 「そんなに戦うのが好きですか。……人を斬るのが、好きですか!」 と突如火のついた様に叫んだ。 まるで尋ねると言うよりは、怒りのまま叫んだという方が相応しい様な怒剣幕である。 いきなり激しい口調で問われた沖田はキョトンとするばかりだ。 「戦に出るのが好きですか、と。おかしなことを聞くなぁ。好きも何も、それが私たちの仕事じゃないですか。」 「仕事なら何をしても良いのか。仕事なら、誰を斬っても良いのか!!!」 「何をそんなに怒っているんです。人を斬るのが怖いんですか。」 「そんなことではありません!!オレが聞きたいのはあなたは人を斬っても何とも思わないのか!一体何のため、新選組に入り人を斬るのです!!己の力を誇示したいからか!!!」 吉岡の顔は激昂のため真っ赤に染まっている。
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!

925人が本棚に入れています
本棚に追加