診療所の話

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凛とした、それでいてしっかりした声に振り返ると、そこには若い女性が立っていた。 「あ、いえ、別に。」 普段から女性と関わらない様にしている沖田は、突然のことに驚いたこともあり、そっけなくその場を去ろうとする。 待ってください、と女性。 「私、この診療所の娘、池波遊と申します。父は今出掛けておりますから、中でお待ち下さい。」 そう言うと、沖田の手を引いて診療所に招き入れた。
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