赤ずきん

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「俺は良くないと気付きながら、彼等と一緒に他者の金を、命を、絆を、夢を、幸せを奪ってきた。 そうしなければ生きて来られなかった。 だが、そんなことは理由にならない。 だから、そう、これは俺の罪であって罰なんだ」 そう言うと青年は目を閉じた。 「何……それ」 少女は低く呻いたかと思うと、青年の首から手を離した。 そして次の瞬間、室内に乾いた音が響いた。
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