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と、こちらに気付いたのか1人…40代の方の男が声をかけてきた。
「こんにちはお嬢さん、森の中をどうしたんだい?」
男の質問に少女は笑みを浮かべながら答える。
「この道の先に住んでいるお祖母さんのお見舞いへ行くのよ」
へぇ、と男はどこか意味深にな微笑みを浮かべて頷いていた。が、少女は気付かなかった。
「じゃあ、花を摘んでいったらどうだ?」
と、もう1人の青年がそう提案した。
「お花?」
少女も、横にいる男も青年の言葉の意味が分からず首を傾げる。
「お見舞いということは君のお祖母さんは外に出ていないんだろう?外で綺麗に咲いている花を持って行ってやれば君のお祖母さんも喜ぶんじゃないかな」
まぁ、と少女ははしゃいだ声をあげた。
「凄いわお兄さん。私思い付かなかった」
にっこり笑った少女の顔を見て青年は顔を赤くしたが、はしゃいでいる少女は見ていなかった。
「きっとお祖母さんも喜ぶわ。ありがとう」
「左に曲がって少し行けば川の近くに花が咲いているよ」
「わざわざありがとう。じゃあ私花を摘んでから行くことにするわ」
そして少女は花を摘むため道を逸れて花畑に歩いていった。
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