その家

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 ベットに座り込んで、考えていた。  すっきりしない事が多すぎる。  私とレイカの関係はもちろん、もっと別の事。  私を憎んでる割には、待遇が良くない?  食事だって割と美味しいし、救急箱も置いてあるし、着替えだって洗濯したての綺麗な物ばっかだし。  今死なれては困るって言ってた。だからこんなに待遇がいいのかな。  でもどうして困るの?  私を殺す下準備が出来てないとか?  用意周到な感じの女だから、慎重になってるのかもしれない。  死体の処理は、硫酸に漬けておくのが一番だって、前に本で読んだ事がある。  空恐ろしい事を考えている自分に驚きもしない私は、これからどうなるのだろう。  ……窓の外には、相変わらず木ばかり。  山が好きなのね。  窓が開かない様になってる。  飛んでる鳥は、どこまで行く気なのだろう。  鳥が羨ましいなんて思った事、生まれてこの方一度もなかった。  羽があるのが羨ましいなんて人。現実逃避のロマンチストだと思ってたのに。  ラバーウッドの部屋。チェストも木の模様。赤いクッションがあるウッドチェア。小さめのシャンデリア、花柄のカーテン。レースのテーブルカバー、ドレッサー。  女の子らしい、可愛い部屋。  雑誌に載ってる様な、清潔感のある、綺麗な部屋。  ただ一つ、窓の鉄格子を除いては。  それに何か、少女趣味というか、なんと言うか……。  あの赤いクッション、テディベア?  子供って訳でもないけど、大人が使ってた様な印象はない。  あのカーテンの花柄、なんか見た事ある様な気がするけど、気のせいかな。  別によくある花柄よね。  私はドアを開けてみた。向かい側にドアが二つ、私のいり側に、もう一つドアがある。  左側は行き止まり、そして右側には重苦しい鉄格子と、その向こうに男が二人、椅子に座っている、  一人が私に気が付いたので、顔を引っ込めた。  確かに、あの地下よりは身動きが取れそうね。  ちょっと歩いただけで、疲れてしまった様な気がする。体が本調子じゃないんだ。  お腹、減った……。        
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