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『あと…中学生の頃の傷だよ。』
「見た目も、かなり痛そうだけど…」
「力を入れたら、かなり痛む…か」
翔の次に愁が呟いた。
『勇気の傷だよ。』
「「勇気の傷?」」
翔と愁は不思議そうに、声に出した。
郁夜と頼波は唖然としている。
『女の子をかばった勇気。』
そう言いながら、皐月はハンドアクセを直し傷が見えないようにした。
『今日は帰っていい?愁』
「え…あぁ。」
皐月はありがとうと小さく言って、生徒会を出ようとした。
『……愁??』
「左手、震えてるじゃん?」
確かに、震えていた。 愁は細かい所に敏感だ。
「教室までついて行くよ。」
『え…いいよ!大変だし…』
そう言って、断ろうとした。
「あ゛?俺が送るっつってんだろ?」
いつもの怖い愁になった。
『はいぃ!宜しくお願いします!!』
それを見ていた翔はクスクスと笑っていた。それから、愁と皐月は教室に行った。
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