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｢奈々～､今日放課後図書室の当番だよ｣
話しかけてきたのは幼なじみの依梨(ｴﾘ)だった｡
｢そうだったね､ありがと｣
今日は早く帰りたかった｡しかし､当番なら行くしかない｡
特に誰が利用するという訳でもない図書室｡
でも奈々はこの静かな空間が好きだった｡
一階の校舎の古びたﾄﾞｱを開ける｡
｢失礼しまーす､といっても誰もいないか｣
図書室の左手にある小部屋に入り､いつも通り本を読む｡
こうして時間と頁だけが過ぎていくはずだった｡
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