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「あはっ、さっきの威勢はどうしたの?」
(くそっ、間合いが取れない…)
昴は水の攻撃を避けながら対策を練っていた。しかし、考える事が苦手な彼は集中しすぎて、水に足を取られてしまった。
「これで、終わりだ…」
「弱い者いじめは好かないな…」
「へっ…?」
『バキッ』
いきなり、背後に気配が生まれた。ウォスリスが反応するよりも早く、彼の体は横に吹っ飛んだ。
「グハッ」
「遼…」
「昴、お前は体の方が先に動くんだから考えるな。そのまま行動しろ」
ウォスリスを蹴り飛ばした遼は昴を見ずに言った。その表情は真剣そのものだった。
「ほ、褒めているんだか、けなされているんだか分からないのですが…」
昴は困惑した表情で遼に言うと、遼は表情を変えずに命令した。
「さっさと立って行動しろ!」
「はいっ!」
昴はさっと立ち上がり、ウォスリスの方へと向かった。さっきのヘタレ顔とは異なり、男らしい真剣な顔つきで走って行った。
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